2009年07月31日(金)
QスイッチNd:YAGレーザーによるレーザートーニング治療をご存知ですか?
「シミ」にはそばかす、老人性シミ、肝斑など色々な種類があり、一人の患者さんで何種類かのシミが混在することもあるため、それぞれにあった治療方法を選択する必要があります。最近ではテレビCMで肝斑というシミに有効な内服薬が宣伝されているためか「私のシミは肝斑ですか?」と聞かれる患者さんが増え、「肝斑」という言葉が一般的に知られるようになりました。肝斑は、ホルモンバランスや紫外線照射が原因として考えられている、主に女性の頬に左右対称性に出現するシミです。昔から肝斑にはレーザー治療は禁忌といわれています。なぜなら、肝斑部にやけどや刺激などの炎症を起こすと、その後強い炎症後色素沈着を生じてしまうからです。
これまで肝斑が合併しているシミを治療する場合は抗炎症効果をもつトラネキサム酸やビタミンCの内服を併用しながら、顔面全体の印象を明るくする目的でイオン導入、ケミカルピーリング、光治療、レーザーフェイシャルなどの治療を皮膚に強い炎症を与えない程度に施行していました。このような治療により、ある程度満足のいく結果が得られるのですが、最終的には頬や目尻に淡いシミが残ることがありました。
そこで、肝斑を合併しており、長期にわたり治療を継続している患者さんを対象に以前より『肝斑を悪くすることはなく、肌色が明るくなって、毛穴を引き締める』と聞いていたQスイッチNd:YAGレーザーによる低出力照射を施行してみました。すると、肝斑部分の色調を含めた、さらなる肌色の改善がみられ、毛穴が目立たなくなり、肌理が細かくなるなど,患者さんの満足度をさらに高めることができました。この方法は最近ではQ スイッチNd:YAGレーザーによる『レーザートーニング』といわれ、肝斑にとても良い治療と宣伝されています.レーザー自体も改良され、肝斑に強い炎症を与えないための工夫がされています。肝斑の患者さんは是非お試しください!
日光黒子+肝斑
[マリ皮フ科クリニック] 鈴木真理
Posted at 12時00分
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