2010年05月26日(水)
ニキビ痕・傷痕治療に新たなるレーザー
「eCO2 PLUS(エコツ−プラス)レーザー」
「エコツ−」なんて聞くと,「パック?」「エコロジー関連?」と想像してしまいますが,このeCO2 PLUS(エコツ−プラス)レーザーは,イボやホクロなどをとる際によく使用される,長い強力な波長(10,600nm)である炭酸ガス(CO2)レーザーで,0.1〜0.3mm径の穴を細かくシャープに開けるフラクショナルレーザーです。
フラクショナルレーザーは,数年前に登場した新しいタイプのレーザーです。レーザーをかなり小さな点状に多数照射する技術(フラクショナル化)により,治療後の赤み・色素沈着といったリスクを軽減し,洗顔・化粧の制限といった,いわゆるダウンタイムも抑えることも可能としたものです。
アファームをはじめとする波長の短いフラクショナルレーザーは,肌質改善,リジュベネーションには向いていますが,eCO2 PLUSは今まで治療が難しく,ダウンタイムが長い治療が中心となっていた「ニキビ痕・傷痕・毛穴の開き」といった凹凸のある皮膚状態を改善し,さらにコラーゲン新生を誘導するという,有望な治療器です。
ニキビ痕治療には,以前ご紹介させていただいたプラズマ治療等を組合わせながら,いろいろ工夫しながら施術しています。
1回の治療でも,古いニキビ痕が浅くなり,改善しているのがわかるかと思います。
また傷痕においては,今までなら「手術以外では,これ以上は難しい!」と考えられていた状態でも,完治は無理にせよ,より目立たなくするという点では期待できるレーザーです。
[赤井クリニックスキンケア] お肌の健康相談室
Posted at 18時00分
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2010年02月05日(金)
足のニオイが気になりませんか?
ブーツをはく時期などは、特に足がむれていやなニオイが気になることがありますね。ニオイの原因は、汗、雑菌、カビ(水虫)などであることが多いです。そんな時、ちょっとオシャレな対処法として、アロマテラピーが使えます。
アロマテラピーで使用されるエッセンシャルオイル(精油)(注A)の種類はたくさんあるのですが、こうした足のニオイへの私のイチオシは、ティートリー油(注B)です。天然のティートリー油1本購入して使いこなしてみましょう。使用法は、足浴、シュッと吹きかけるコロンスプレイ、キャリアオイル(注C)に混ぜて足に塗るなど色々あります。ティートリーには、優れた消毒殺菌、抗真菌、抗ウイルス、免疫賦活作用などが証明されていて、足のニオイを元から断ってくれます。
またその香りは、スッキリしていて、気分もすがすがしくなります。
使用方法の実際ですが、原則として原液を直接肌に塗るのはNGです。薄めて使って下さい。
- (A)足浴
- お風呂に使う小さなタライにぬるま湯を満たし、ティートリーを8滴ほど滴下する。そこに足を入れ5から10分ほど足浴する。
- (B)コロンスプレイを作る
- 100mlの蒸留水に25滴(20滴で1ml)のティートリー油を加えて調整し、使用前によく振ってからスプレイする。
- (C)キャリアオイルに混ぜて塗る
- 50mlのキャリアオイル(ホホバオイルがイチオシ)に25滴のティートリー油を混ぜたもので足全体をマッサージする。足底のカサカサやひび割れが強い場合に最適。カサカサとニオイの両方が良くなります。
- (注@)アロマテラピー
- 日本語で芳香療法。植物に含まれる芳香成分には、人間に対し精神的、身体的に作用するものがあり、古来よりヨーロッパなどでは宗教儀式や民間療法で使われてきた。近代になって、これに科学の光を当て芳香成分を分析できるようになり、効能、効果を科学的につきとめる研究が始まった。
- (注A)エッセンシャルオイル(精油)
- 芳香成分を植物から最良の方法(水蒸気蒸留法などがある)で抽出したもの。
- (注B)ティートリー油
- オーストラリアに自生するTee Treeというフトモモ科の植物の葉から抽出したもの。刺激的ですっきりした香り。オーストラリアの原住民アボリジニは古来このTee Treeを医療に用いていた。
- (注C)キャリアオイル
- エッセンシャルオイルを希釈する植物油のことです。ホホバオイル、グレープシードオイル、アーモンドオイルなどがある。体内に芳香成分を運んでくれるものとして、キャリアオイルと呼ばれる。
《使用上の注意》
嫌いな香りは、その人の本能的な拒絶反応の1つとも考えられますので、無理に使わないで下さい。精神的なストレスとなり、逆効果です。他に同じような作用のある好きな香りの精油(たとえばラベンダー、パルマローザなど)を見つけて使って下さい。またこれにかぶれる方は使用できません。
[やんべ皮膚科クリニック] 山家英子
Posted at 11時55分
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2009年11月28日(土)
まつ毛が長くなる薬について
最近、ファッション誌の広告に「まつ毛が太く長くなる」という治療薬の広告を目にします。
FDA(米国医薬品局)が世界で初めて承認したまつ毛貧毛症治療薬です。
昨年末、このニュースが流れると、日本では薬事未承認の医薬品であるにもかかわらず、インターネット上でこの薬に関するサイトができ、個人輸入によって使用しているかたもいます。
確かに、まつ毛が長く、太く、濃くなるのは魅力的です。
しかし、いい面だけが宣伝され、瞼の色素沈着や、感染症などの副作用は隠されている現状があります。
そこで、元東京大学医学部形成外科教授で、現在杏林大学形成外科教授の波利井 清紀先生が中心になり、まつ毛の美容に使用される薬剤の適応、効果や安全性について臨床研究を行い、 まつ毛貧毛症に対するより良い治療法の研究を目的とした研究会が設立されました。
夏に開催されたこの研究会に私も参加してきたのですが、次のような情報がありましたので、皆様に御報告いたします。
まつ毛貧毛症治療薬
主要成分:ビマトプラスト(プロスタグランディンF2アルファ誘導体・・
緑内障の薬として使用される成分)
効能:毛周期における成長期の延長・・まつ毛の長さの伸長
休眠状態にある毛包の刺激・・まつ毛の厚みや太さの増加
メラニン合成の活性化…まつ毛の色素沈着・・まつげが黒くみえる
副作用:
眼障害:結膜充血、眼のかゆみ、刺激感、乾燥、眼瞼の赤み、乳頭症
皮膚及び皮下組織障害:皮膚色素沈着
禁忌:ビマトプラストまたは本剤に含まれる他の成分に過敏な人
広告ではどうしてもいい面だけが強調され、副作用については記載がないことが多いのです。
研究会の討論でも、まだまだわからないこともあるので、慎重に使いましょうという結論に終わりました。
元来、緑内障といって、眼圧が高くなり、視野に異常がでたり、失明にまでいたる病気の治療に使う薬が成分ですので、眼圧が正常な人に使うとどうなるか?ははっきりしていません。
もし、この薬でまつ毛を長くしたいと希望するかたがいらっしゃいましたら・・
インターネット販売ではなく、この薬を取り扱っていて、アフターケアをしっかりしてくれる(勉強している)医療機関で購入されることをお勧めいたします。
[西井皮膚科クリニック] 西井貴美子
Posted at 14時24分
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