隠居医者の独り言

フクタ皮フ科院長の「独断と偏見」によるブログです。

2005年10月21日(金)

瑞林寺での講話 [活動記録]

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瑞林寺の娘さんが作ってくれたポスター

「心とからだのバランス」
日常、診察室で患者さんと色々な話(問診)をしながら、何が病気の原因であり、どうしたら良い状態に向かって行くのかと考えている訳であります。薬を使って一時的に良くなっても、中止してしばらくすると再発します。また、同じ薬を使っても、非常に良く効く人がいたり、あまり効かなかったりもします。副作用の出現を見ても、患者さんの状態によって、出方に差があるように感じていました。

この違いはどうして起こるのだろうか、と考えてみました。そんなとき、『バカの壁』の著者、養老孟司先生の『さかさメガネ』を読んで、「これだ!」と思ったわけです。

人はそれぞれ言葉を使って自分の頭の中を表現しようとする訳ですが、ここに第一の問題が出現するのです。それは人それぞれ価値観が異なるということです。それを、言葉という便利なものを使って、他人と会話をする訳ですが、頭の中に浮かんでいるイメージは、若干異なっている訳です。この違いが、ほとんど苦にならなく相手の頭の中のイメージが伝わる人と、伝わらない人がいるのです。これが俗に言う、波長が合うとか、合わないということだと思います。

他方では、人間は一人では生きて行けない存在なのです。共同生活しなければ、本当は生きて行けないのです。そこには、十人十色の経験の中から生まれた、成功体験があるのです。この成功体験を経験すると、非常に気持ちが良く、脳の中にしっかりと固定されます。そうすると、どうしてもその成功体験に頼って、再度、現実の問題を処理しようとします。これが「クセ」なのです。

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我々日本人は、民族的に「チームプレー」が得意なのです。この為には、自分を押し殺して、ある目的に向かって邁進することが好きなのです。(この風潮も、世の中の情報をインターネット等で瞬時に見ることが出来るようになった現代では、少し変化してきていると思いますが。)そして、頭の中では、人それぞれ複雑な回路がからみあっているにもかかわらず、意識の出力は「うまくやろう」の一方通行が基本形です。

この「うまくやろう」がくせ者なのです。自分の体力、気力がついて行くうちはこれでいいのですが、人は必ず老化します。老化とは、私は、体力・気力の衰えと、頭と心の柔軟性の低下と考えています。老化現象を起こす体と、「いつも同じ私」という意識の差が大きくなると、体は病気という信号を出すのです。

このように、一人の人間の中で、うまくやろうとする意識と、それについていけない身体が、対立する場合が、病気の始まりではないでしょうか? こんな事を考えながら、檀家の皆さんと会話を楽しみました。

Posted by 福田金壽 at 20時21分   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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プロフィール

福田金壽

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院長

福田金壽

生まれ故郷の江南市布袋町で、皮膚科医院を昭和57年に開業しました。その間、数多くの人々の所謂「生老病死」に医者として関わってきました。
私なりの「独断と偏見」の人生観が出来上がってきたようですので、隠居医者の独り言として、記録に残してみようと思います。

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