2006年05月01日(月)
体は違いを感じます [診察室より]
一歩外へ出れば、体は違いを感じます。鳩吹山を歩いたり、昨日のように巨樹の下で心地よい時間を過ごすと、体が元気になることを最近実感するようになりました。
そんなわけで、診察室でも患者さんに、家の中に閉じこもらないで、出来るだけ気持ちの良い自然の中へ行き、いい空気を吸って、お天とう様に当たるようにすると、それだけで自律神経のバランスが良くなり、病気の予防になりますよとアドバイスしています。
今日も、80歳位のおじいちゃんが、奥さんとお嫁さんに両わきを抱きかかえられるようにして、診察室に入って来られました。話を聞いてみると、2ヶ月前に心筋梗塞と大動脈瘤の手術をして、やっとの思いで退院してきたら、今度はおしりから太ももにかけて、真っ赤に腫れ上がってきたと言うのです。多少の痛みもあったそうですが、医者に見せるとまた入院しろと言われるかもしれないと思い、家人にも告げずに悶々とした気持ちで、家の中でひたすらじっと我慢していたそうです。
診れば典型的な帯状疱疹なのですが、老人の場合にはその症状の割には、痛みが少ないことが多いのです。更に帯状疱疹もすでに治癒段階になっていました。
しかし、本人にはそんなことは分かるはずがありません。好きな酒もタバコも我慢して、風呂にも入らずに、ひたすら良くなることを信じて、家の中でじっと我慢して安静にしていたにもかかわらず、体はどんどん悪い方向へ向かって行ったのです。不安で情けなくて、どうしようもなかったと、しきりに訴えられました。
本人の訴えをひととおり聞いてから、「酒もタバコも風呂も、適当にすればいいのです。その方が体の治りは良くなりますよ。更に、家の中ばっかりにいるのは感心しません。気候も良くなりましたし、出来るだけ外の空気を吸って、太陽に当たって下さい。体がその違いを実感するはずです。そうすれば自然治癒力が働いて、ドンドン良い方向に向かいますよ。」と告げました。話が終わる頃には、スッキリした表情になっていて、「よくわかりました。今日から出来るだけ外へ出るようにします。」と言って、診察室を出て行かれました。
Posted by 福田金壽 at 11時23分
トラックバック
トラックバックURL
http://skincare.jp/fukuta/blog/tb.php?ID=71