隠居医者の独り言

フクタ皮フ科院長の「独断と偏見」によるブログです。

2005年10月24日(月)

参考になります [診察室より]

小学校低学年の子供を持つ、三十歳代のおかあさんが、1ヶ月ほど前に、胸と背中にいっぱいニキビを作って来院されました。県内に嫁いでおられますが、実家は当診療所の近くにあるのです。

例のごとく、心と体のバランスの話をして、外用剤(ローション)を処方して帰っていただいた方ですが、「最近、小学校の行事が多くて、湿疹が出来ちゃった。」と言って、また来院されました。

「言われることはワカットルでしょう!」と言うと、「充分わかっとるけど、先生の顔が見たくて来たの。」と始まって、いろいろ話をされるのです。

「それじゃ、最近気を付けていること、書いてちょうだい。自分の為にもなるし、後で他の患者さんにも参考になるようにしたいから、ぜひ協力してください。」と言って、紙と鉛筆を渡したところ、このように書いてくれたので、彼女の文章をそのまま掲載させていただきます。

 ・何もせずゆっくりするときを作る
 ・できないことはできない
 ・意地を張らない
 ・素直になって頼る
 ・頑張りすぎない
 ・疲れたときは「疲れた」と声に出して周りの人に言う
 ・一人で何でもこなそうとしてかかえこまない
 ・自分は自分、他の人と競わない
 ・無理をせず周りの人に協力してもらう
 ・力を抜く
 ・我慢しずぎない

簡単なようで、なかなか実行できないことです。皆さんも、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

Posted by 福田金壽 at 10時32分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2005年10月21日(金)

瑞林寺での講話 [活動記録]

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瑞林寺の娘さんが作ってくれたポスター

「心とからだのバランス」
日常、診察室で患者さんと色々な話(問診)をしながら、何が病気の原因であり、どうしたら良い状態に向かって行くのかと考えている訳であります。薬を使って一時的に良くなっても、中止してしばらくすると再発します。また、同じ薬を使っても、非常に良く効く人がいたり、あまり効かなかったりもします。副作用の出現を見ても、患者さんの状態によって、出方に差があるように感じていました。

この違いはどうして起こるのだろうか、と考えてみました。そんなとき、『バカの壁』の著者、養老孟司先生の『さかさメガネ』を読んで、「これだ!」と思ったわけです。

人はそれぞれ言葉を使って自分の頭の中を表現しようとする訳ですが、ここに第一の問題が出現するのです。それは人それぞれ価値観が異なるということです。それを、言葉という便利なものを使って、他人と会話をする訳ですが、頭の中に浮かんでいるイメージは、若干異なっている訳です。この違いが、ほとんど苦にならなく相手の頭の中のイメージが伝わる人と、伝わらない人がいるのです。これが俗に言う、波長が合うとか、合わないということだと思います。

他方では、人間は一人では生きて行けない存在なのです。共同生活しなければ、本当は生きて行けないのです。そこには、十人十色の経験の中から生まれた、成功体験があるのです。この成功体験を経験すると、非常に気持ちが良く、脳の中にしっかりと固定されます。そうすると、どうしてもその成功体験に頼って、再度、現実の問題を処理しようとします。これが「クセ」なのです。

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我々日本人は、民族的に「チームプレー」が得意なのです。この為には、自分を押し殺して、ある目的に向かって邁進することが好きなのです。(この風潮も、世の中の情報をインターネット等で瞬時に見ることが出来るようになった現代では、少し変化してきていると思いますが。)そして、頭の中では、人それぞれ複雑な回路がからみあっているにもかかわらず、意識の出力は「うまくやろう」の一方通行が基本形です。

この「うまくやろう」がくせ者なのです。自分の体力、気力がついて行くうちはこれでいいのですが、人は必ず老化します。老化とは、私は、体力・気力の衰えと、頭と心の柔軟性の低下と考えています。老化現象を起こす体と、「いつも同じ私」という意識の差が大きくなると、体は病気という信号を出すのです。

このように、一人の人間の中で、うまくやろうとする意識と、それについていけない身体が、対立する場合が、病気の始まりではないでしょうか? こんな事を考えながら、檀家の皆さんと会話を楽しみました。

Posted by 福田金壽 at 20時21分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2005年10月18日(火)

医者冥利に尽きる [診察室より]

お昼前、先週の金曜日に、下腿にあずき大のとってもかゆいしこりがどんどん拡がって、がまん出来ないことを主訴に来院された、50歳代前半の女性が、ニコニコして「先生、かゆみがなくなりました」と、喜んで来られました。

当日の診断は、慢性湿疹(下腿)。処方はトクダー厶(ステロイドのテープ)外用と、リンデロン2錠と二ポラジン(抗ヒスタミン剤)1錠を寝る前に内服。これだけです。

例のごとく、「意識と身体のバランスの乱れ」について説明して、バランスを合わせる為には、これからコンビニへ行って、弁当とお茶を買って、自分の気分の良い自然の地(山・川・森・海、どこでも良い)へ行き、お弁当を食べてから家に帰りなさい、と告げておきました。

患者さんは、忠実に実行したのです。(初診で午前中に来院の患者さんには、すべて、このようにアドバイスするのですが、実行する人は10人に1人位)
「そしたら、とっても気分が良くなり、その日からかゆみが減り、2〜3日後にはかゆみがなくなりました。」

そして、患者さんはこう続けました。
「こんなこと言ったことなかったんですが、日曜日の朝、おとうさんに、モーニングサービス付きの喫茶店に連れて行ってちょうだい、とおねだりして、朝ごはんを作るのをやめました。そしたら、体はこうしたかったんだ、ということが良くわかりました。」と、喜んで一気に話されたのです。

私は、「それは良かったですネ。意識と身体のバランスが合ってくれば、元々の自然治癒力、新陳代謝、免疫力すべてがいい回転をして、自然に治っていきますよ。ただし、現代社会は、ノルマ、効率、お金等、意識と身体のバランスがくずれやすくなっていますので、心と体の“手入れ”と思って、ときどき散歩したり、ピクニックに行くようにしてください。これは田んぼの草取りのようなものです。薬というのは除草剤のようなもので、最小限の使用にしてください。使い過ぎれば必ず副作用があります。」と伝えておきました。

患者さんは、何度もお礼を言って診察室を出て行かれましたが、これこそ医者冥利に尽きると思いました。

Posted by 福田金壽 at 16時05分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2005年10月17日(月)

瑞林寺に招かれて [活動記録]

岐阜県美濃加茂市にある、瑞林寺より依頼をいただき、集まった檀家さん達に向けて、講演会を行ってきました。

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Posted by 福田金壽 at 15時30分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

2005年10月16日(日)

秋の例大祭 [地域情報]

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山車の飾りつけも終わり、いよいよ新調した山車の町内引き回しです。中日新聞で紹介されたこともあり、老人から子供たちまで、集合時間よりも早く集まり、ワイワイガヤガヤ!!

ちょうどその頃、山車の幕を作ってくれた、磯村打敷店のご主人が、家族連れで、わざわざ名古屋から心配して来てくれました。

日頃の運動不足の体には、みこしを担ぐことに比べると、新調した山車は負担が少なく感じられました。まだ身長の低い、小学生の男の子達も、山車を押して参加してくれました。

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氏神様の八剱神社へ集合しても、我が町内のみこしがひときわ背が高く、目立つ存在で、町内参加者は、昨年みじめな思いをしただけに、今日は少し誇らしげな1日でした。

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終了後に、山車をお宮の倉庫に収納する際には、今まででも手狭だった場所に、新調した山車を入れることになりました。自慢のタイヤに逆らって、直角に収納しなくてはならなくなり、他の町内の人にも手伝ってもらって、やっと収納することが出来ました。世の中よくしたもので、「良い事半分、悪い事半分」のことわざが思い出されました。

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山車の新調に際しては、大須の磯村打敷店、師勝町の(株)ヨシダ自動車、江南市の末次建築、大矢ペイント、ほていコミュニティ協議会等、たくさんの方々のお世話になりました。この場を借りて、お礼申し上げます。

Posted by 福田金壽 at 16時00分   パーマリンク   トラックバック ( 0 )   コメント ( 0 )

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院長

福田金壽

生まれ故郷の江南市布袋町で、皮膚科医院を昭和57年に開業しました。その間、数多くの人々の所謂「生老病死」に医者として関わってきました。
私なりの「独断と偏見」の人生観が出来上がってきたようですので、隠居医者の独り言として、記録に残してみようと思います。

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