隠居医者の独り言

フクタ皮フ科院長の「独断と偏見」によるブログです。

2005年12月06日(火)

事故再発防止 [診察室より]

今日、朝日新聞の朝刊を読んでいますと、17面に『医師の処分厳格化・再教育義務づけへ 取り戻せる?患者の信頼』と、大きな見出しで記事が掲載されていました。内容については、「医療事故の警察への届け出が、97年21件であったものが、04年には255件に増え、民事医療訴訟も、597件から1,107件にはね上がった。対策の柱は、行政処分の厳格化と再教育制度の導入である。」というもので、いろいろな意見が出されていました。

この記事を読みながら、今日会った友人の奥さんの言葉が思い出されましたので、書き留めておきます。

彼女には、28歳になる息子がいます。彼は、今年4月に脳腫瘍(グリオーマ)と診断され、6月には東京女子医大病院で手術を受ける予定になっていましたが、彼女は手術には消極的で、もう少し待って色々な情報を調べてから判断したいと考えて、手術を延期してもらうことにしました。

その間に、セカンドオピニオンを求めて、有名な大学病院を受診したり、民間療法を試してみることにしました。そのうちの、浜松医科大学脳外科を受診したときの話です。浜松医科大学脳外科は、教授をはじめとして、脳腫瘍、特にグリオーマについて、従来の手術ではなく新しい治療を研究している医局だそうです。そして、動物実験の段階では、良い治療成績が出ているとのことです。

彼女はそのことをインターネットを通して知っていて、診療の最後にその新しい治療法を受けてみたいと切り出したそうです。すると教授は、「こうした新しい治療法は、動物実験でどんな良い成績を収めても、最後は人間に試してみないとわからないものなのです。最近はいろいろな縛りが増えて、人体実験のような新しい治療法はスタンドプレーと見られて、臨床実験ができないのです。」と嘆かれたのだそうです。

「白い巨塔」ではありませんが、医学会内部には今でも色々な派閥があり、その中では、嫉み、ひがみ、足の引っ張り合いが行われているのも現実です。あまりにも法律で縛り過ぎると、それが派閥争いに利用され、本当に新しい治療がほとんど出来なくなっってしまう、という問題も生じてきます。

臓器移植では、日本は世界に遅れていて、多くの日本人が臓器移植を求めて、海外へ渡らざるを得ない時代が長く続いたことの原因のひとつであるように思います。その反省が、記事では触れられていなかったような気がしましたので、ここに書き留めておきました。

Posted by 福田金壽 at 22時36分   パーマリンク

2005年12月04日(日)

お寺巡り [旅行記]

三年ほど前から、四国八十八寺巡礼に始まって、昨年からは、西国三十三ヶ寺観音巡りをしています。日曜日を利用して、自動車でお寺巡りをする、いわゆる日曜遍路です。

今日、朝6時半に家を出て、兵庫県三田市の花山院東光山菩提寺を始めとして、6ヶ寺のお参りをしました。無信心な私ですが、1年に数回気が向くとお寺参りをします。最近はこれが、とても気持ち良く感じられるようになってきました。これも、年齢を重ねたせいでしょうか。

駐車場から山門をくぐる頃には、そのお寺の雰囲気が感じられます。これは、人間に十人十色という言葉があるように、十寺十色の雰囲気があります。般若心経を読み、納経所で朱印をいただくわけですが、その頃には、このお寺のご住職はこんな方だろうか、などと、勝手な推測をして楽しんでいます。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

また、それぞれ地方にはそれぞれの風景があり、それを眺めるのも楽しみのひとつです。今日は、初雪と紅葉を1日のうちに体験することができましたので、写真を掲載しておきます。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

初雪は、兵庫県三田市の東光山菩提寺の山門前です。紅葉は、大阪府箕面市の箕面公園大滝の前で撮影しました。

Posted by 福田金壽 at 21時03分   パーマリンク

2005年12月01日(木)

耐震強度偽装問題 [閑話]

国会での関係者の参考人招致がテレビ放映され、責任のなすりつけ合いを見るに至っては、同じ日本人として見るに耐えない思いがして、気分が悪くなったのは私だけではないと思います。

マンション購入者が最終被害者であることに間違いはなく、本当にお気の毒としか言いようのない事件です。いずれ被害者救済策が取られ、再発防止に向けた法整備、罰則強化がなされることと思います。

この事件について私見を述べさせていただけば、日本人の真面目さと、頑張って努力することを最良とする気質がベースにあり、それがエスカレートして生じた問題と、自分に直接被害が生じないことは見て見ない振りをする性質が、絡まって起きた事件のように思えます。従って、誰にでも起こり得る可能性のある事件として捉えるべきでしょう。

日本の都会への一極集中の現実では、利便性と経済性を追及すれば、高層マンションという形を取らざるを得ないことでしょう。

問題は、一度成功すると誰もが、同じパターンを繰り返し成功したがることです。業者の競争意識と、消費者のより良いものを安く求めたいという意識がエスカレートして、その結果が法令無視の建築を作り上げてしまったのでしょう。更に言えば、その間に異常な建築物に気付いた人はたくさんいたと思いますが、自分に実害がないものは、知らない振りを決め込んでしまった結果、被害を大きくしている問題でもあると思います。

この事件を見聞きして、悪人探しをして人を非難することは簡単ですが、他山の石にすることなく、自分の身の上に降りかかった場合の身の処し方を、もう一度考えてみなければいけないと考えているのは、私一人ではないと思います。

Posted by 福田金壽 at 17時18分   パーマリンク

2005年11月25日(金)

環境汚染 [閑話]

11月13日、中国吉林省吉林市の石油化学工場で爆発があり、ベンゼン、ニトロベンゼンなどの化学物質100トン(中国政府発表)が松花江に流れ出た、その下流の黒竜江省ハルビンでも、影響を受ける地域の水道を止めた、との報道がありました。汚染物質は1日100キロの速度で下流に流れ、11月末にはロシアのハバロフスクに到着するそうです。そこで、水道の給水停止の検討が始まり、飲料水の買い占めの動きも出ているそうです。

これは、対岸の火事として眺めているだけで済む問題ではなく、後々日本人にも何かしら悪影響が出ることが予想されます。

そもそもこの化学工場周辺には、いわゆる「ガン村」と呼ばれる地域が存在するそうです。地下5〜6mの浅い井戸を使用している人たちは、付近の水道水を使用している人たちと比べると、ガンの発生率が10倍以上高いのだそうです。

日本人でも、昭和40年代の高度成長時代に発生した、「水俣病」「イタイイタイ病」のことを思い出してみて下さい。どうしても、発展途上の国では、経済優先で安全軽視の時代が生じるのです。

流出した物質の中には、ベンゼン、ニトロベンゼン以外にも、正体不明の工場廃液が含まれているはずです。それら全体の量は、我々の想像を絶するような量であると思います。そして、これらの化学物質は、低濃度でも長時間服用すれば、ガンの発生率が高くなるのです。

画像(180x173)

地図を見ていただけばわかると思いますが、アムール川を通過した後には、日本海に出ます。そしてプランクトンに摂取され、流氷とともに北海道沿岸に流れ着いて、魚やカニに食べられ、ついには我々の食卓に並ぶことになるのは、火を見るより明らかだと思います。

この影響が明らかになるのは、何年先のことか私にはわかりません。しかし、案外自然の浄化作用が強く、何の影響もなく終わるかもしれません。今の私に出来ることは、自然の持つ浄化作用で、我々に影響が出ないことを祈ることだけです。

Posted by 福田金壽 at 20時35分   パーマリンク

鳥インフルエンザ [診察室より]

ヨーロッパ・アジア中国で鳥インフルエンザが流行し、それが人間にも感染して死者が出始め、これが大流行して多数の死者が出るのではと報道され問題となっています。

鳥インフルエンザウィルスは、人間に対しては感染しないはずですが、H5群ウィルスは鳥と鳥との間で感染力が強く、更に人間に対しても感染力があるウィルスとして知られています。それに、死亡する人は免疫力が強い、若年層に多いことが知られています。これは、ウィルスに対して、白血球が攻撃するときに出すサイトカインが多量に出て、それが逆に肺の組織を破壊するからだそうです。

この治療については、スイスのロシュ社のタミフルが特効薬として注目され、日本で販売権を持つ中外製薬の株価が高騰しています。しかし、ここに至ってタミフルの有効性と副作用について、様々な発表が出てきました。

ウィルスは元来、その姿形を次々と変えて生き残りをかける性質があります。それを変移と言いますが、この変移を起こしたウィルスは、元のウィルスとは異なった性質を持つことになります。有効とされていた薬の、効果がなくなってしまうことは、よくある話なのです。

これまでタミフルの使用注意書に記載されていなかった、幻覚異常行動での死者が出ているとの報道もありました。更にタミフルの使用量を見ると、全世界で6〜7割を日本人が使用していることになっています。これらの事実を考え合わせると、私はタミフルを生産調整していると考えざるをえません。

私は皮膚科の開業医であり、直接インフルエンザの患者さんに薬を処方する立場にはありませんが、私ならあえてタミフルの処方はしないだろうと思います。言わせてもらえば、ここはあれこれいらぬ取り越し苦労はせず、睡眠、栄養を十分にとり、インフルエンザにかからないことを心掛けるのが肝要というものでしょう。

Posted by 福田金壽 at 13時55分   パーマリンク

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院長

福田金壽

生まれ故郷の江南市布袋町で、皮膚科医院を昭和57年に開業しました。その間、数多くの人々の所謂「生老病死」に医者として関わってきました。
私なりの「独断と偏見」の人生観が出来上がってきたようですので、隠居医者の独り言として、記録に残してみようと思います。

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