アトピー性皮膚炎の治療

日原みどり先生によるアトピーの治療法の紹介です

半導体レーザー治療
  • 血液の流れをよくする。
  • 生体を活性化させる物質の産出を促進するなどの作用があり、からだを正常な状態に戻そうとする働きがあり、そのことを応用して下記の治療を行うものです。
半導体レーザー治療
  1. ニキビ跡の赤み
  2. ケロイド
  3. 湿疹(しこりを伴う慢性の湿疹)
  4. アトピー性皮膚炎
  5. 帯状疱疹の痛み
  6. 傷跡の修復

【メディカル・ファイル(大阪回生病院皮膚科部長 庄司昭伸先生・取材協力)より転載】

治療が困難な顔面のアトピー性皮膚炎に、半導体レーザーを頸部の星状神経節に照射する治療が試され、効果をあげています。
従来の神経ブロック療法を応用したもので、苦痛もない安全な方法。顔面にはステロイド剤が使いにくいこともあり、普及が期待されます。

■交感神経の緊張をゆるめて免疫機構を正常化する■
「ペインクリニックなどで行われる“星状神経節ブロック療法”が、アトピー性皮膚炎の治療に用いられていることに注目し、日頃から皮膚治療に利用していた半導体レーザー(近赤外線)で試みたのがきっかけです」と語るのが、この治療法を手がけた大阪回生病院皮膚科部長の庄司昭伸先生。
星状神経節ブロック療法とは、麻酔薬を注入して、交感神経の中継所となる星状神経節を麻痺させる方法。つまり、からだを緊張させる交感神経を鎮めて、リラックスさせる副交感神経を優位にします。こうして、自律神経の緊張状態が緩和されると、内分泌機能やアレルギーをおこす免疫機構の正常化は促され、治療にむすびつくと考えられているわけです。そして、同様の効果が、レーザーにも認められているといいます。
具体的な治療法は、麻酔薬の注射のかわりにレーザーを使い、頸部の星状神経節に、皮膚の上から左右5分間ずつ照射するというもの。痛みもなく、照射後の副作用もほとんどない、安全な方法といえます。

■アトピー特有のかゆみや顔面の赤みもほぼ消失■
このレーザー治療が、効果の面で従来と大きく異なるのは、顔面のアトピーの改善度。湿疹がおさまるだけでなく、特有の赤みまで消えるケースも多くみられます。これは、照射する星状神経節の支配下に、顔や首があるためと考えられています。
ちなみに身体面も含めた同病院(大阪回生病院)の臨床データでは、週1〜2回、約2ヵ月にわたりこの治療を続けた16〜47歳の男女45人のうち、20人は皮膚の赤みまでほぼ消失、10人は皮膚の炎症が改善したといいます。また、湿疹やかゆみの減少、眠れるようになったなどの総合評価では、約7割の32人が、『実感できる効果あり』と回答しています。

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