全部解決!失敗なしの「ムダ毛処理」

1997年 non・no No.13から引用
日原みどり先生が取材を受けた non・no の掲載記事です

ワキの下を毛抜きで抜いていたら、毛穴が鳥肌みたいにブツブツになりました。

ワキの下は皮膚に弾力性のない箇所で、毛の生えている方向もまちまちです。毛抜きで抜こうと手で無理やり皮膚を引っ張り、さらに毛の方向を確かめず力まかせに抜くことを繰り返していれば、毛穴に大きな負担がかかり、盛り上がってブツブツ鳥肌が立ったような状態になります。毛抜きの魅力はモチのよさにあるのですから、一回処理したらしばらく間をおくこと。大きな鏡の前に立ってワキの下に密集している毛の方向を確かめて抜くこと。腕や脚の場合は手が届くので片手で毛の根もとを押さえ、途中で切れないよう一気に抜いてください。
終わったら、清潔にし、冷たいタオルで冷やしておきましょう。毛を抜くことに気をとられ、毛穴の保護も忘れないように。

カミソリでそっていたら、皮膚が黒ずんできました。治るでしょうか。

そったり抜いたり、自分ではムダ毛だけを処理しているつもりですが、何回も繰り返しているうち皮膚の表面が削られ、肌へのダメージが大きくなります。肌は自ら角質を厚くして刺激を弱めようとする働きをしはじめ、色素沈着が起こり黒ずんでくるのです。回数を極力減らして、アフターケアを十分にしてあげましょう。

抜く、そるの後、毛穴がプチプチと赤くなってしまいました。

抜く、そるの時に器具または皮膚に細菌がついていたか、アフターケアを怠ったか、どちらかが原因で、毛穴から感染し『毛包炎』を起こしてしまったのだと思います。ほうっておくとそのまま赤みが残ったり、ケロイドや色素沈着の原因になるので、炎症がひどいようでしたら早めに専門医に診てもらうようにしてください。処置をする前に自分の肌はもちろん、器具も消毒しましょう。
終わった後は水分を補給し、器具もお肌も清潔にする習慣を身につけてくださいね。

お父さんの髭そりってよくそれるしツルツルになる。使ってもいいですか。

すぐやめましょう。毛の濃い男性のカミソリは逆ぞりで、しかも深く入るようになっています。デリケートな皮膚の女性が使うと、大事な皮膚の表面までそれてしまいます。ツルツルになったように思うのは、角質部分まで削れているのであって、お肌を傷めるもと。女性専用の刃を使ってください。

毛抜きを使っていたら、一つの毛穴から2〜3本毛が生えてきました。

毛抜きを使ったからではありませんから心配しなくても大丈夫です。毛穴は密集していて、お隣と重なり合うほどくっついていることがあります。一つの毛穴に見えても、よーく見ると毛穴はちゃんと2つあります。こういう毛を複合毛包(複数毛)と言います。トラブルではありません。

電気シェーバー派です。よくそれるのですが、毛穴が目だつんです。

それまで毛があって隠れていた毛穴をそってしまったのですから、毛穴の部分が丸見え状態になり、目だつように感じるのです。別にトラブルではありません。そんな時は肌が敏感になっていますから、固いボディーブラシや、刺激の強い石けんでゴシゴシ洗わないように。肌を傷つけ、色素沈着のもとになりますから。

ある日、皮膚の下に毛が生えているのを発見! びっくり。どうしたのでしょう。

抜く、そるの処置は、毛を途中でぷっつりと切った状態です。毛根はまだ皮膚の下で元気でいるわけで、もっと伸びようとしてきます。けれど、毛穴が傷ついて化膿したりしていると、かさぶたにふさがれて毛は穴から外に伸びることができません。それでまた皮膚の下に戻ってしまうのです。そういう毛のことを埋没毛(埋もれ毛)と言います。目で見える範囲ならトゲのように、消毒した縫い針でちょっと切り自分で処置し、後で消毒薬を塗っておけば大丈夫です。深いところならやはりお医者さまに見せ、処置をまかせたほうがいいでしょう。

処理すればするほど毛が濃くなっていく気がするのですが。

毛を真っすぐ立てて処置すれば、毛の太さそのままの状態で残るから、今までと同じ濃さに見えるのですが、どんなに硬くても毛は寝てる状態で生えてきますから、それを処置すれば斜めの断面になり、今までより“太い”状態で残ります。それが密集しているのですから、濃くなったと錯覚してしまうのです。また確かに毛は最初は細いけれど、そったり抜いたり、表皮細胞に刺激が加わると、太くなっていく性質があります。だから“過度の刺激”は禁物です。

ハワイに行くので全身、こまめにムダ毛処理。結果、ひどい日焼けに。

なんと無謀な。少なくとも最低3日前までに処置をすませておかなければ。抜く、そるの処置をしたばかりの肌はかなりダメージを受け、角質が削り取られていたり、事後の処理を完全にしていないと、炎症を起こしていることもあります。傷や炎症を起こしている場所にはメラニン色素が集中するので、あっという間に日焼けになり、シミとして残ったりしてしまいます。すぐ生える人でも、5日〜1週間の余裕はもってほしいものです。

風呂での処置がいいと聞きました。清潔だし肌もしっとりだし。

お風呂場には雑菌がいっぱいいます。それにジメジメした場所ですから、器具の置き場としても適していません。またお風呂上がりは清潔ですし、しっとりとして水分の補給は足りていますが、肌がふやけて傷つきやすくなっています。そんな時に強い刺激を与えたらどうなるでしょう。しかも前にも言ったように雑菌がウヨウヨ。ちょっとした炎症から化膿を起こしかねません。30分ほどホテリを取り、器具類を消毒、ふだん、顔につけているクリームか乳液をつけてから、自分の部屋等で処置してください。顔はどの皮膚より敏感ですから、顔につけてトラブルがなければ、どこに使ってもOKですよ。

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